こんばんは。新栄塗装工業 甲斐です。
今日は先日ご相談を頂いたあるお客様 A様の事例をご紹介します。
A様のお宅の外壁は窯業系サイディングボードで張られていましたが、なぜかある面の集中して大きなひび割れが発生。10年位前に塗り替え工事をされているとのことでしたが、その時からひび割れはあったらしく、前の塗装業者さんはひび割れがあることも知らせずコーキング材で補修をしてから、窯業系サイディング外壁用のクリアー塗装を施工していたようです。
以前補修したところも10年経って割れが目立ち始め、その周辺には大小さまざまなひび割れが…。木造住宅ですので建物の動きなどが起きれば多少の割れも仕方ない部分もありますが、それを超えるような割れが大小目立ち、一体原因は何なのか？根本的に直すには塗装だけでは無理なのでは？という疑問や不安を抱き、弊社が所属している窯業系サイディング材メンテナンス技術研究所 古畑先生のご紹介にて弊社と古畑先生立会いの下、外壁のはがし検査を行うことになりました。
簡単な足場組を行い、割れが発生している場所のサイディングをはがし、構造上の問題はないか？漏水による腐食はないか？構造材の含水率は？サイディングボード自体の劣化状況は？？？・・・科学的に総合的に、状況の把握と分析を行いました。
このような診断を行い詳細を調べていったところ結論としては、構造耐力上の問題はなく、おそらく窯業系サイディングボードを張る際の資材管理不足などによる裏面の傷などが起因して潜在クラックとして長年の間に大きな割れに繋がっていったのではとの結論になりました。
窯業系サイディングボードは蓄熱性も高く、南面や西面の日射が強い場所では外壁表面は夏では70℃を超すような高温になり、そのままサイディングボードが蓄熱して熱による膨張～収縮を繰り返す性質を持った外壁材なのです。ですから特に最初の施工時の貼り方や外壁材の取り扱い方などには注意していかなくてはいけません。
単純にひび割れがあったらコーキングで埋めて塗ればＯＫ！という単純なものではありません。なぜそこに割れが発生したのか？必ず何かしらの原因がありますので、しっかりと調査してから改修のプランを立てることが大事ですね。
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