屋根塗装に使用される塗料の1つに、遮熱塗料というものがあります。
これは、太陽光を反射させて屋根の温度が上がるのを防ぎ、室内の温度が上昇するのを抑えてくれる塗料です。
この塗料には魅力的な点や欠点がある上に、向き不向きがあるので、自分や自宅には遮熱塗料が適しているか正しく判断することが求められます。
今回は、遮熱塗料について解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
□遮熱塗料のメリットとデメリットとは?
*メリット
1つ目は、夏場に過ごしやすくなることです。
遮熱塗料はその特徴から、室内の温度上昇を抑えてくれる効果があります。
そのため、夏場でも室温を最大2度から3度程度下げることが可能です。
数字で見ると少なく見えますが、2度から3度温度が下がると体感では涼しく感じられます。
その結果、夏場でも快適に暮らせるのです。
2つ目は、電気代を削減できることです。
室内の温度上昇を抑えられるため、その分冷房を使用しなくて良くなります。
一般的に、室内温度が1度下がると約10パーセントの電気代を節約できると考えられています。
つまり、遮熱塗料を採用することで電気代を削減し、省エネ効果にもつながるのです。
3つ目は、耐用年数が長いことです。
遮熱塗料の耐用年数は10年から20年であることがほとんどです。
この数字は他の塗料と比べて1.5倍から2倍程度長いため、メンテナンスの面でも魅力的でしょう。
*デメリット
1つ目は、価格が高いことです。
特殊な塗料ですので、一般的な塗料に比べて価格が高い傾向があります。
しかし、安価な塗料に比べると耐久性に優れているため、メンテナンスのことを考慮するとコストパフォーマンスが良い塗料と言えるでしょう。
2つ目は、冬の保温効果がないことです。
遮熱塗料は夏場の室温を下げてくれますが、冬場の寒さを補う効果は基本的にありません。
中の熱を外に逃せないため、冬が長い場合には適していない可能性があります。
3つ目は、効果が低くなる場合があることです。
遮熱塗料は、表面が汚れているとその効果を十分に発揮できません。
そのため、定期的に塗膜の洗浄を行うことが求められます。
□遮熱塗料がおすすめの方
遮熱塗料には向き不向きがありますが、おすすめしたい方の特徴は以下の通りです。
まず、夏の暑さをできるだけ少なくしたい方です。
例えば、高齢のご家族がいる場合やペットを飼っている場合などは、夏場の熱中症が心配でしょう。
そういった方は、遮熱塗料を採用して部屋の温度を低くする工夫を施すと良いでしょう。
次に、助成金を使用して工事費用を抑えたい方です。
遮熱塗料を使用して塗装する場合には、一般的な塗装工事よりも多くの助成金制度を活用できる可能性があります。
そのため、助成金を使用して費用を抑えたい方にぴったりです。
初期費用が高い塗料ですが、助成金を使用するとお金を節約できるため、助成金をうまく活用するようにしましょう。
そして、機能性の高い塗料を使用したい方にもおすすめです。
機能性の高い塗料としては、断熱塗料や光触媒塗料などが挙げられます。
しかし、これらは工事費用が一般的な塗料の1.5倍から2倍程度かかってしまいます。
そんな中、遮熱塗料であればシリコン塗料と同程度の工事費用で高い機能性を体感できます。
費用が高くなりすぎるのを避けたい方は、遮熱塗料を検討すると良いでしょう。
□屋根塗装に遮熱塗料を使用すると良い建物
遮熱塗料をおすすめしたい方について解説しましたが、遮熱塗料が適している建物も存在します。
1つ目は、スレート瓦の建物です。
戸建ての屋根として最も多く採用されているスレート瓦ですが、屋根材の厚みは4ミリメートルから5ミリメートルと薄いのが特徴です。
そのため、屋根の表面温度がすぐ屋根裏に届いてしまうので、遮熱塗料の使用をおすすめします。
遮熱塗料を使用すれば、屋根の表面温度が上がるのを防げるため、室内が暑くなるのも防げるでしょう。
2つ目は、金属屋根の建物です。
金属屋根は熱の伝導率が高く、表面温度が高くなりやすい傾向があります。
また、スレート瓦と同様素材が薄いため、遮熱塗料を使用して屋根の温度が上がるのを防ぐ工夫を施したいところです。
3つ目は、吹き抜けがある建物です。
吹き抜けは1階と2階の仕切りがないため、2階の日差しがそのまま1階に届いてしまいます。
その結果、熱が室内に侵入して暑くなりやすいのです。
おしゃれな吹き抜けを最大限活かすためにも、遮熱塗料を使用して暑さに対処するのがおすすめです。
4つ目は、2階建て以上の建物です。
家の高さが高くなるほど、太陽光を遮るものがなくなります。
そのため、上の階に熱がたまりやすくなってしまうのです。
遮熱塗料を採用すると、上の階に熱気がたまることを改善できる可能性があります。
□まとめ
今回の記事では、遮熱塗料の特徴、おすすめしたい方や建物について解説しました。
遮熱塗料は温度の面で魅力的な点がある一方で、デメリットもいくつか存在しています。
そのため、遮熱塗料を検討している方は、自分や自宅が遮熱塗料に適しているか冷静に判断した上で、採用するようにしましょう。