屋根塗装がどのくらい重要か、ご存じですか。
屋根の劣化は目視できないために気づきにくいものが多いです。
そのため、雨漏りといった被害が発生しない限り屋根塗装をしようと思わない方も多いと思います。

しかし、屋根塗装は10年程度で行う必要があります。
そこで今回は、屋根塗装の重要性、手順、そして失敗しないための注意点を紹介します。

□屋根塗装の必要性とは?

屋根塗装を行う目的は、主に2つあります。

・美観を保つため
・家を長持ちさせるため

家は、常に雨風や太陽の紫外線などの自然環境にさらされています。
そのため、時間とともに徐々に劣化していきます。
特に屋根は、日中はほぼ100パーセント紫外線を浴びているため、劣化の進行が早いです。
紫外線の影響で塗装の色があせたり、塗装が浮いたりします。

また、屋根が劣化してひび割れやすき間ができると、そこから雨漏りにつながったり、カビやコケが発生したりします。
そうなると、建材にも影響を及ぼし、屋根だけでなく、家全体に悪影響が及びます。
このような被害を防ぐために、屋根塗装は必要です。

□屋根塗装の手順について

ここでは、屋根塗装の手順を紹介します。
屋根塗装の工期は、天候によって左右されます。
基本的に2週間前後で終わる、と考えておくといいでしょう。

*近隣への挨拶

まず、近隣の方への挨拶をします。
屋根塗装の工事では、塗料が飛散したり、塗料独特のにおいがしたりというような迷惑を近隣の方へかけてしまうことがあります。
そのため、事前に迷惑をかけることになる旨を伝えるようにしましょう。

*足場の設置

足場を組み、塗料の飛散を防止するための飛散防止シートの貼り付けを行います。
足場を組む時にはかなり大きな音が出るので、足場設置が始まる前に、近隣への挨拶を済ませておくことが重要です。

*塗装前の準備

塗装を始める前に、屋根の洗浄と下地の処理、養生をします。
まず、高圧洗浄で屋根のホコリや汚れを除去します。
屋根の上にホコリや汚れが残ったまま塗装を行ってしまうと、塗料の機能を十分に引き出すことができず、すぐに剥げることにつながります。

その後、下地の処理をします。
屋根材の割れやサビに対し、やすりで表面を削ったり、サビを取ったりします。
このような作業のことを「ケレン」といいます。

そして最後の準備は、養生です。
養生とは、屋根以外の塗料がついてはいけない部分を保護することです。
テープや新聞紙を使って行います。
窓の冊子や室外機、自動車などをしっかり保護します。

*塗装

準備が整ったら、いよいよ塗装をします。
塗装は、「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3ステップに分かれます。

まず、下塗りです。
これは、中塗り・上塗りがしっかり屋根に定着するために必要な工程です。
シーラーやプライマーと呼ばれる塗料を使います。

下塗りが乾いたら、中塗り・上塗りをします。
中塗りと上塗りは、同じ塗料を重ねて塗ります。

下塗り、中塗り、上塗りは、それぞれ完全に乾かしてから次のステップに移る必要があります。
完全に乾いていない状態で塗料を重ねると、塗料本来の機能が発揮されないからです。
そのため、3日未満で塗装の工程が終了するような日程が組まれている場合は注意してください。

*点検と片付け

塗装が終了したら、塗り残しや塗りムラがないかをお客様と確認し、手直しを行います。
点検終了後、足場を撤去した後の手直しは難しいため、この点検の段階で確認をしっかり行うようにしましょう。

点検・手直しが終了したら、足場を解体したり、養生をはがしたりと、片付けが行われます。
これで屋根塗装のすべての作業が完了です。

□屋根塗装で失敗しないために

屋根塗装で失敗しないために知っておきたい3つの注意点を紹介します。

1つ目は、見積もり前の点検を入念に行ってもらうことです。

「小さいひび割れが多いから補修効果が高いプライマーを使う方がよい」
「サビが多いため、サビを削る作業に通常よりも時間をかけたほうがよい」

上記のように、点検を細かく行うことで、料金や日程が変わってきます。
また、見積もりの段階で細かい点を把握しておくことで、料金の大きな変動を防げます。

2つ目は、塗装回数や量はメーカーの仕様に沿ってやってもらうことです。
塗料の塗り重ねの回数や一回での使用量は、メーカーによって決められています。
これを無視すると塗料の機能が十分に発揮されません。
メーカーのカタログを貰い、塗装会社の説明が正しいか、確認しましょう。

3つ目は、タスペーサーやくぎ打ちを必ずやってもらうことです。
これらの作業は屋根塗装とは直接関係ないですが、雨漏りを防ぐために必要です。
見積もり段階でこれらの作業が含まれているか、確認しましょう。

□まとめ

屋根塗装は、美観と家の長持ちのために行う必要があります。
5つの工程の中でも、特に塗装の工程では、各塗料がしっかり乾いてから次の作業を行っているか、確認しましょう。
また、見積もり段階での細かい点検を依頼しましょう。