軒先唐草は、屋根の軒先に取り付けられる水切板金です。
その役割は、雨水を雨樋にスムーズに流すことで、屋根材や木部を腐食から守ることです。
今回は、軒先唐草とは何かについて、その概要とメンテナンス方法を解説します。
□軒先唐草とは?
軒先唐草は、古くから日本の伝統的な建築様式で用いられてきたものです。
昔は、軒先の瓦に唐草模様を描くことが一般的でしたが、現在では、金属製の板金が主流となっています。
*軒先唐草の役割
軒先唐草は、雨水を雨樋に導くための重要な役割を担っています。
雨水が軒先唐草に当たると、その角度によって雨樋の方向へ流れを変えられます。
*軒先唐草の構造
軒先唐草は、主に金属製の板金でできており、その形状は、屋根の形状やデザインに合わせて様々な種類があります。
一般的な形状としては、波板状や平板状のものがあります。
*軒先唐草の種類
軒先唐草には、様々な種類があります。
1:材質による分類
・金属製(銅板、ステンレス、亜鉛板など)
・木材製
・陶器製
2:形状による分類
・波板状
・平板状
・笠木型
・雁木型
□軒先唐草のメンテナンス方法
軒先唐草は、外気に常に晒されているため、定期的なメンテナンスが必要です。
適切なメンテナンスを行うことで、軒先唐草の機能を長く保ち、雨漏りのリスクを軽減することができます。
1:定期的な清掃と点検
軒先唐草は、定期的に清掃と点検を行う必要があります。
特に、春と秋の年2回の点検が推奨されています。
・清掃
ホースで水をかけ、汚れを洗い流す。
柔らかいブラシで、細かい汚れを落とす。
・点検
錆や腐食の発生状況を確認する。
歪みや破損がないかを確認する。
異物が詰まっていないかを確認する。
2:劣化部分の早期修理
点検で異常が見つかった場合は、速やかに修理を行う必要があります。
特に、錆や腐食が進行している場合は、放置すると大きなダメージにつながるため、専門会社に修理を依頼しましょう。
3:適切な材料の選定
修理や交換を行う際は、耐候性に優れた材料を選びましょう。
・金属製
1.銅板:耐候性に優れ、経年変化で緑青が発生し風合いが変化する。
2.ステンレス:耐食性に優れ、メンテナンスが容易。
3.亜鉛板:価格が安く、比較的耐久性がある。
・木材製
1.杉材:耐久性があり、風合いが美しい。
2.ヒノキ材:防腐効果が高く、香りが良い。
□まとめ
軒先唐草は、屋根の軒先に取り付けられる水切板金で、雨水を雨樋にスムーズに流す役割を担っています。
軒先唐草のメンテナンスは、その機能を長く保つために不可欠です。
定期的な清掃と点検を行い、劣化部分の早期修理、適切な材料の選定を心がけましょう。