こんばんは、甲斐です。
本日は昨日ホームページをご覧いただきお問合せ頂いた
熊谷市のお客様のお宅に、外壁屋根劣化診断に伺いました。
今回は外壁の塗装やレンガタイルリフォーム、
合わせて化粧スレート屋根の塗装?金属ガルバリウム屋根カバー工法をご検討とのこと。
なので早速はしごで屋根を点検してみましたが…
下から見てもわかりませんでしたが、
化粧スレート屋根がめくれ上がったような現象が多数見られました。
屋根材の表面だけでなく、屋根材の中心からはがれているような現象が…
この屋根はパミールという屋根材で、基材自体の不具合が多数確認されているもの。
他の屋根材では、通常の経年劣化では考えられないような劣化がみられる屋根材です。
このパミールという屋根材は、よく見ると1CM幅くらいの縦に走っている浅い溝のようなものがあります。
これは屋根材の工場での製造過程でローラーで押し出すような工程を踏んでいるためにできています。
また、ミルフィーユのようにセメント層を積層して作られているのが特徴の屋根材で、
年数がある程度経つとべニア板が劣化したように、厚紙くらいのセメント層が順々に剥離してきて、
この写真のような劣化に繋がります。
この類の屋根材は「カラーベスト」や「コロニアル」屋根という名称で呼ばれていますが、
これらは各製造メーカーの商品名であり、
正式には『平型化粧スレート屋根材』というくくりの屋根材になります。
カラーベストやコロニアル、また今回のパミールという屋根材は、
概ね西暦2000年くらいにノンアスベスト化になり、
およそ西暦2000年~2005年くらいに製造された『平型化粧スレート屋根』は
アスベスト混入時の商品と比べて製品郷土自体が弱い商品も多数あったようです。
これらは比較的割れやすかったり、反りなどの劣化が早く出たりという現象が見られますが、
今回のパミールは屋根材の「芯」からはがれてくる、結構深刻な劣化になります。
こうなると塗装をしてもほとんど意味のない形になります。
一時期きれいにはなるものの、屋根材の耐久性や防水性能をあげるという
本来の塗装リフォームの価値を発揮しない形になってしまいます。
なので、できたら金属系の屋根材でカバー工法をお勧めすることになります。
こんな診断も、屋根を近くで見てみないとできないのです。
建物診断は時間と手間をかけて行いたいものですね。
パミールという屋根材。特に軒先部分にいち早く剥離の現象が見受けられます。 |
このように1cmくらいの浅い溝のようなものがある屋根材は、間違いなくパミールです。塗装をお考えの方には要注意! |