外壁塗装に吹き付け塗装があると聞いたことはあるものの、吹き付け塗装とはどのような塗装方法なのか知っている方は、あまり多くはないのではないでしょうか。
確かに、あまりなじみがない言葉ですよね。
そこで今回は、外壁塗装における吹き付け塗装についてや、吹き付け塗装を利用する際のメリット・デメリットについて解説します。
吹き付け塗装のメリットとデメリットを知ることで、実際の塗装会社選びに役立てるようにしましょう。
□外壁塗装の吹き付け塗装とは?
吹き付け塗装には、以下のようにいくつかの種類やそれぞれ違った特徴があります。
*一般的な吹き付け塗装
一般的に使用されている塗料を吹き付けて塗装する方法で、骨材と樹脂などを混ぜ合わせたものを吹き付ける塗装方法です。
吹き付け塗装の中で最も多く用いられています。
ムラなく綺麗に仕上げたい人におすすめの塗装方法であり、特殊な模様を付けずに塗装するため、他の塗装方法よりも比較的安価に仕上げられます。
劣化しても上塗りのみで本来の性能を取り戻せるメリットがありますが、一方で上塗材の耐久性がそもそも高くないデメリットもあります。
また、他の塗装方法と比較すると意匠性に劣るため注意が必要です。
*リシン塗装
リシン塗装とは、リシンに骨材を混ぜ合わせたものを吹き付ける工法のことで、吹き付け塗装の中では最も目の細かい塗装方法です。
塗膜は薄いものの、塗料に砂状の仕上げ材を吹き付けるため、砂壁のような仕上がりにできます。
他の塗装と比較すると目が細かいため、土壁のような仕上がりやシックなデザインを希望している方におすすめです。
*スタッコ塗装
スタッコ塗装とはセメントや塗料、骨材を混ぜた仕上げ材を厚く吹き付ける塗装方法のことで、目の粗さは中間くらいです。
したがって塗膜が厚いため、重圧感のある仕上がりを作れます。
リシン塗装と吹き付けタイル仕上げの両方の特徴を持ち、高い耐久性を持ちますが、凹凸が多く表面がざらついた仕上がりになるため汚れが付きやすく、綺麗な外観を保ちたい場合は定期的な掃除が必要です。
*吹き付けタイル仕上げ
吹き付けタイル仕上げとは、粘度の高い専用の塗料を下地材・主材・上塗材の三回に分けて吹き付ける塗装方法のことです。
三回に分けて塗料を吹き付けるため、仕上がりがなめらかになるのが特徴です。
□吹き付け塗装のメリットとは?
1.作業スピードが速く、ムラなく仕上がる
吹き付け塗装は狭い隙間にも簡単に塗装できるため、ムラなく塗装できます。
また、ローラーを使った塗装方法と比較すると、広範囲を一気に塗装できるため、ローラー塗装よりも作業スピードが圧倒的に速いです。
2.立体感のある仕上がりになる
吹き付け塗装をすることで、塗装した部分に高級感や凹凸のある立体感を出せるため、おしゃれに仕上がります。
また、一言に吹き付け塗装といっても、使用する塗料の配合量や吹き付け機の種類などにより仕上がりが異なるので、唯一無二の仕上がりを楽しめます。
他にも、吹き付け塗装の方がローラーで塗装するよりも、補修跡を分かりにくくする効果もあります。
3.費用を抑えて塗装できる
吹き付け塗装は、ローラー塗装よりも広範囲を一気に塗装できるため作業スピードが速く、人件費の削減につながります。
結果として、ローラー塗装よりも塗装費用を安く抑えられます。
□吹き付け塗装のデメリットとは?
1.塗料が飛び散るため養生の手間がかかる
吹き付け塗装の際は、専用の吹き付け機を使って塗装します。
そのため、塗装する必要のない場所や、塗装している際に周りに飛び散る可能性があります。
塗料が飛び散って周りが汚れるのを防ぐために、施工前に養生する必要があります。
養生する際、天候に左右される他、時間と手間がかかります。
特に住宅街で作業を行う場合は養生をしっかり行わないと、万が一作業中に塗料が近隣の住宅に飛び散ってしまった場合、隣人トラブルの原因になってしまう可能性があるため注意しましょう。
2.騒音トラブルにつながる可能性
吹き付け機を使用する際は非常に大きな音が出ます。
そのため、あまりに住宅が密集している場所で塗装工事を行う際は、近隣トラブルを防ぐためにも事前に工事予定を申し入れたり、塗装工事前にあらかじめ近隣住民に工事内容や騒音について一言知らせておいたりすると良いでしょう。
3.高い技術や経験を持った職人が必要になる
ローラー塗装と比較すると、吹き付け塗装の際は職人の経験や技術が求められます。
仕上がりは塗装工事を行った職人の腕により異なるため、吹き付け塗装を行う際は依頼する会社をしっかり選ぶようにしましょう。
□まとめ
外壁の吹き付け塗装は、骨材と樹脂などを混ぜ合わせたものを吹き付ける一般的な塗装方法のほかに、リシン塗装、スタッコ塗装、吹き付けタイル仕上げなど様々な方法があります。
吹き付け塗装のメリットとして、狭い隙間やいびつな形の箇所にも簡単に塗装できるため、ローラー塗装よりも作業スピードが速いことや、凹凸のある立体感ある仕上がりにできること、比較的費用を抑えて塗装できることが挙げられます。
一方で、吹き付け塗装のデメリットとして養生の手間がかかること、近隣住民との騒音トラブルに発展する可能性があること、高い技術や経験を持つ職人が必要になることが挙げられます。