屋根塗装をしようと考えているものの、塗料の種類が様々でどれを選べばよいか分からず、お困りの方もいるのではないでしょうか。
確かに、塗料には油性や水性もあれば耐用年数もそれぞれ違い、結局どれが良いか区別がつきにくいですよね。
それぞれの塗料には違った特徴があり、耐用年数や性能によって値段もバラバラです。
そこで今回の記事では、屋根塗装の際に使用する塗料の種類と、それぞれの塗料が持つ特徴について解説します。
塗料の選び方や特殊機能についても解説しているので、皆様の塗料選びの参考になれば幸いです。
□屋根塗装の塗料の種類と特徴について
1.ウレタン樹脂系塗料
耐用年数は8〜10年程度で、1平方メートル当たり1800〜2300円と比較的安価です。
柔軟で付着性が高く、塗膜に光沢があるのが特徴です。
ウレタン塗料は他の塗料より耐久性は劣りますが、汎用性が高いので費用を抑えて塗装したい人に向いています。
2.シリコン樹脂系塗料
耐用年数は10〜15年程度で、1平方メートル当たり2400〜3600円です。
ウレタン塗料よりも耐久性があり、防汚性や耐熱性もあります。
価格の割に耐久性が高い特徴がありますが、弾力性がやや弱いためひび割れしやすいです。
シリコン塗料は種類が豊富ですが、塗料に含まれるシリコンの割合により性能が変化します。
シリコン含有率が高い塗料のほうが価格が高く、耐用年数も長くなります。
3.フッ素樹脂系塗料
耐用年数は15〜20年程度で、1平方メートル当たり3900〜4900円です。
シリコン塗料よりも耐久性や防汚性、耐熱性が高く色あせに強い特徴があります。
また、防カビ性や防藻性もあり、価格は高いものの性能が良く耐用年数も長いです。
したがってフッ素樹脂系塗料は、初期費用は多少かかってもメンテナンス頻度を減らしたい人に向いています。
4.無機塗料
20年以上の耐用年数があり、1平方メートル当たり4400〜5600円です。
耐久性や耐熱性が高い特徴があります。
レンガやガラスなどの無機物は、高い耐久性と耐熱性を持っています。
無機塗料は有機塗料に無機物を付加して作られるため、無機物がそのまま塗料になるわけではありません。
無機塗料の性能は、無機物の含有率やベースになる塗料の性能によっても左右されます。
□屋根塗装の塗料の選び方
*耐久性や樹脂を決める
塗装を何年持たせたいかと、予算を比較しながら使用する樹脂を決めます。
・ウレタンの費用相場は40~45万円程度で耐用年数は8~10年
・シリコンの費用相場は43~50万円程度で耐用年数は10~15年
・フッ素の費用相場は55~70万円程度で耐用年数は15~20年
・無機の費用相場は65~80万円程度で耐用年数は20~25年
上記のように、年数やかかる費用は塗料によって異なっています。
予算や希望の耐用年数に合わせて選ぶようにしましょう。
*特殊機能を決める
「暑さ対策が欲しい」「汚れ対策をしたい」のように、それぞれの家庭によって欲しい機能は様々です。
したがって、特殊性能を決める際は、自分の家の生活スタイルに合った機能を付けるようにします。
夏場の暑さ対策と冷房を節約したいとお考えの方は遮熱塗装、汚れが気になる方は光触媒塗料、夏の暑さと冬の寒さどちらも対策したい方は断熱塗料を付けるようにすると良いでしょう。
また、特に対策したいことがない、もしくは暑さ・寒さ対策は別のリフォームで行おうと思っている方は、特殊機能は「なし」にします。
自分の希望する条件や予算、色、質感などを考慮して選ぶと良いでしょう。
*水性か油性かを決める
塗料の鼻にツンとくるニオイは主に油性塗料です。
耐久性は水性塗料よりも油性塗料のほうが少し高いです。
したがって、耐久性を重視したい方は油性塗料を、塗料のシンナーのニオイが苦手な人は水性塗料を選ぶと良いでしょう。
□屋根塗料の特殊機能について
1.断熱塗料
高い断熱性能を持つ「断熱塗料」は、塗布することで壁や屋根内部の温度を一定に保ち、塗布した建物の断熱性能を向上できます。
そのため、室内の温度調節に有効で、かつ省エネ効果を期待できます。
2.遮熱塗料
遮熱塗料とは、太陽の光や熱を反射して建物内部を冷やす塗料のことです。
したがって、特に紫外線の強い夏場に役立ちます。
一方で、冬場は部屋が温まりにくくなるため、遮熱塗料に加えて断熱材を併用して取り入れ、断熱効果を高めると良いでしょう。
3.光触媒塗料
光触媒塗料とは、紫外線や光を利用して空気中の汚れを分解する塗料のことです。
外壁や屋根に付着した汚れや有害物質を分解して空気を浄化することが可能なため、美しい外観を維持できます。
なるべく少ないお手入れ回数で、外観を綺麗に維持したいと考えている人に向いている特殊塗料です。
□まとめ
屋根塗料にはウレタン樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、無機塗料の4種類が存在します。
屋根塗料を選ぶ際は、まず予算や耐久性をもとに使用する樹脂を決定しましょう。
次に、特殊機能を付けるかどうか考えます。
特殊機能は主に断熱塗料、遮熱塗料、光触媒塗料の3つです。
特殊機能は自分の生活スタイルをもとに決定するため、特殊機能が必要ない場合は無理して付ける必要はありません。
最後に、水性にするか油性にするかを決めて塗料選びは完了です。