住宅のメンテナンスに関心の高い方の中には、外壁の寿命を延ばし効率的なメンテナンス方法を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
モルタル外壁は高いデザイン性と耐久性を兼ね備えた優れた外装材ですが、適切な手入れが不可欠です。
この記事では、モルタル外壁の特性とメンテナンスの重要性を解説し、外壁寿命を最大化するための実践的なアドバイスをお届けします。
□モルタル外壁の基本とメリット
モルタル外壁は、セメントと砂を水で練り混ぜた建築材料を塗り重ねて作られます。
その構造は以下のように複数の層で成り立っています。
1:透湿防水シートを最内層に敷設
2:ラス下地板を張り付け
3:防水紙で覆い、金属製の網「ラス」を取り付け
4:モルタルを塗り重ねて仕上げ
この巧みな構造により、モルタルは垂直の壁面にしっかりと密着し、十分な厚みを確保できるのです。
モルタル外壁の大きな魅力は、その豊富なデザイン性にあります。
・継ぎ目のないシームレスな外観
・多彩な色彩と模様の選択肢
・オリジナリティ溢れる仕上げ技法
これらの特長により、モルタル外壁は建物に美しさと高級感を与えてくれます。
さらに、モルタル外壁は優れた耐久性と耐火性を備えています。
不燃材料で構成されているため、火災時の安全性が高く、飛来物による衝撃にも強い堅牢さを誇ります。
またサイディングのようなシーリング材の補修も不要で、メンテナンスの手間を軽減できます。
このようにモルタル外壁は、デザイン性と機能性を高次元で両立した優秀な外装材なのです。
ただし、その性能を十分に発揮させるには、適切なメンテナンスが欠かせません。
□モルタルの寿命を伸ばす塗装のタイミング
モルタル外壁の寿命を延ばすカギは、タイムリーな塗装にあります。
以下の5つの症状が見られたら、塗装が必要なサインです。
1:水をかけると壁に染み込む
2:壁を擦ると手に白い粉が付く(チョーキング現象)
3:苔やカビが発生している
4:壁にひび割れがある
5:壁の表面が剥がれている
これらの症状は、いずれも外壁の防水性能が低下している証拠です。
放置すれば、水の浸入によるひび割れや苔・カビの発生を招き、モルタルの劣化を加速させてしまいます。
特に注意したいのが、チョーキング現象です。
塗料は「油」と「粉」で構成されており、紫外線による劣化で油分が失われると、色の粉だけが残って手に付着するようになります。
この状態では、外壁が水を弾かなくなるため、早めの塗装が不可欠です。
また、苔やカビは日陰や湿気の多い場所に発生しやすいので、建物の北側は入念にチェックしましょう。
ひび割れは、モルタルの吸水による伸縮が原因で生じます。
ひび割れを放置すれば、劣化が加速するだけでなく、他の部分にも亀裂が広がる恐れがあります。
これらの症状が見つかったら、迅速に塗装を検討することが、モルタル外壁の寿命を延ばす近道となるでしょう。
□まとめ
モルタル外壁は、デザイン性と耐久性に優れた魅力的な外装材です。
しかし、その性能を最大限に引き出すには、適切なメンテナンスが不可欠です。
外壁の劣化サインを見逃さず、タイムリーな塗装を行うことで、モルタル外壁の寿命を大幅に延ばせるでしょう。
自分の家をいつまでも美しく守るために、モルタル外壁のメンテナンスを怠らないようにしましょう。