今回は、スレート屋根の寿命や劣化サイン、適切なメンテナンス方法、費用について解説します。
スレート屋根の寿命を延ばすための適切な知識と対策をわかりやすく提供することで、安心して長く住み続けられるように役立ちたいと思います。

□スレート屋根の寿命と劣化サイン

スレート屋根の寿命は一般的に20年前後といわれています。
しかし、建材の寿命は本来の耐久性が失われ、防水や保護機能などがなくなる年数の目安であり、スレート材の種類や製造時期、環境によって耐用年数は異なります。
寿命である20年を目安に、屋根材を新しいものに葺き替えるか、既存の屋根材の上に新しい屋根材を葺く「カバー工法」を行うなどのメンテナンスが必要になるでしょう。

大切なのは、スレート屋根が寿命を迎えるまで何もメンテナンスをしなくても良いわけではなく、劣化サインを見逃さずに適切なメンテナンスを行うことです。
スレート屋根の劣化サインを見逃すと、雨漏りなどのトラブルに繋がる可能性があり、場合によっては、大規模な修繕が必要になることもあります。

1:コケや藻などの繁殖

スレートの塗膜が劣化し防水性が損なわれると、屋根の上に溜まったホコリや水分を栄養にし、コケや藻が発生します。
コケや藻は美観を損なうだけでなく、屋根面がじめじめした状態になりやすく、劣化をさらに進行させる原因となります。
塗膜の劣化が進む前に屋根の塗装工事を行い、屋根の防水性を高めることが効果的です。

2:色あせ・変色

スレート屋根の表面が白っぽく色あせたように見える場合や、ツヤが失われている場合は、スレート表面の塗膜が劣化しているサインです。
白っぽい粉のような色あせは、「チョーキング」と呼ばれ、塗料の顔料が表面に浮き出ている現象です。
チョーキングは、塗膜の劣化が進行しているサインであり、早めの塗り替えが必要です。

3:塗膜が剥がれる

塗膜の劣化が進むと、塗膜は徐々に剥がれはじめます。
塗膜が剥がれた状態では、屋根の防水性はほぼ失われ、どんどん水分を含む状態になります。
雨水が浸み込むとスレート本体の劣化が進行し、雨漏りの原因となるため、なるべく早く塗り替えを行いましょう。

4:スレートが反る、割れる

塗膜が剥がれた状態で長期間放置していると、スレート本体に雨水が浸み込み、スレートの強度が損なわれ、もろくなります。
さらに、雨水の吸収・乾燥が繰り返されるうちにスレートが変形し、反りや割れなどが見られるようになり、スレートの下の防水層の劣化も早まるため、雨漏りの危険性も高まります。
ここまで劣化が進行した場合、塗装ではメンテナンスしきれません。
そのため、重ね葺きや葺き替えなどの大がかりなメンテナンスが必要になるでしょう。

□スレート屋根の寿命を延ばすためのメンテナンス方法

スレート屋根の寿命を延ばすには、定期的な塗装メンテナンスが重要です。
塗装は屋根材を風雨・紫外線などのダメージから保護し、素材の劣化を防いでくれます。
適切なタイミングでの塗り替えが、スレート屋根の寿命を延ばす鍵となります。

1:塗り替え時期

塗り替えの時期は、一般的には約5~10年ごとが適切とされています。
ただし、気候条件や環境によって異なるため、屋根の状態や色褪せ、剥がれが目立つ場合は早めの塗り替えが必要です。
定期点検で劣化サインが見られたら、屋根塗装することをおすすめします。

2:塗料の種類

塗り替えの頻度に関わるもう一つのポイントは、塗料の種類です。
耐久性の高い塗料を使用すれば、塗り替えの頻度が減少し、結果的にコストパフォーマンスが良くなります。
スレート屋根の場合、シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料などの耐久性が高い塗料がおすすめです。

3:カバー工事

カバー工事は、既存のスレート屋根に新しい屋根材を被せる方法です。
比較的工期が短く済み、コストも低いのが特徴です。
費用は、使用する屋根材にもよりますが、100~150万円程度かかることが多いです。
注意点として、屋根の下地は交換しないため、雨漏りしているなど下地まで傷んでいる場合にはおすすめできない工事です。

4:葺き替え工事

葺き替え工事は古いスレートを撤去し、新しい屋根材を葺き直す工事です。
これにより、下地から新しく作り直すことが可能で、下地の劣化や雨漏りが発生しているお家におすすめの方法です。
しかし、カバー工事よりも手間と時間がかかり、コストも高めになります。
費用は150~200万円ほどです。

□まとめ

スレート屋根の寿命は、適切なメンテナンスを行うことで延ばすことができます。
定期的な点検を行い、劣化サインを見逃さないことが大切です。
劣化が進行する前に適切なメンテナンスを行うことで、スレート屋根の寿命を延ばし、安心して長く住み続けられます。
また、塗り替えの時期や塗料の種類、カバー工事や葺き替え工事など、様々な選択肢がありますので、ご自身の屋根の状態に合わせて適切な方法を選びましょう。